リウィウスを読もう!

ティトゥス・リウィウスの「ローマ建国以来の歴史」、
完全日本語訳がまだされていないこの史料を読もうという試みです。
自己中心的なことに、スタートは21巻からです。いつになることやら分からないけれど、エンドは30巻です。
要するに、第二次ポエニ戦争限定です。

*はじめてお越しの方は、「はじめに」をご覧ください。
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21-23
ハンニバル軍、エブロ川を渡る。
沿岸線の防備に手勢を割く。
遠征の長きを憂いた兵士を故郷に戻す。
 ハンニバルはこの夢を吉兆と捉えてさらに進み、ついにエブロ川を渡ることとなった。渡河に先立って、軍団を三つに分割した。さらに、前もって使者を出し、渡河地点を領有するガリア人に賄賂をつかませてその友好を得ておいた。また別の使者を、アルプスを調査しに向かわせた。
 
 エブロ川を渡った時点でのハンニバル軍は歩兵90,000に、騎兵が12,000だった(*1)。
 川を渡った後は、イレルゲテス(*2)、バルグシイ、アウセタニ族を降伏させる、さらに、ラケタニア一帯の部族も傘下に置いた。これらはピレネーのふもとに位置する部族だった。
 
 ハンニバルは部下のハンノ(*3)を呼び、スペインからガリアに至る沿岸線の死守を命じた。ハンノに与えられた兵力は、歩兵10,000に騎兵1,000だった。
 
 残りの軍を率いてハンニバルはピレネーに進んだが、このとき軍団の兵たちはようやく自分たちが本当にローマまで連れて行かれることを悟った(*4)。
 ここで3,000のカルペタニ人が逃亡してしまった。戦いから得られる戦利品への期待よりも、遠征の長さ、そしてアルプスを越えるという不可能事への挑戦への恐れが勝ったのだった。
 逃亡兵を無理やり連れ戻したりすれば、残りの軍にも動揺が走る。ハンニバルはここで、さらに7,000人(*5)の兵士を故郷へ戻すことにした。これらの兵は、ハンニバルが己の目で遠征を厭い始めたことを確かめた者たちだった。逃亡したカルペタニ人についても、あたかもハンニバルの手で故郷に戻されたかのように振舞った。
| livy | 21巻 | 18:29 | comments(5) | - | - | -
(*1)この数字はリヴィウスの誇張らしい。イタリアに降り立ったときのハンニバルの残存兵力を考えると、道中の犠牲があまりに多すぎることになってしまうから。
| ニワセ | 2006/01/31 6:36 PM |

(*2)すぐ上の21-22で、このイレルゲテス族の騎兵がハシュドゥルバル軍にいることが書かれている。部族全体が一枚岩ではなく、ハンニバルに従うものもいれば、まだ従わないものもいた…ということかな? ただし、リヴィウスはあまりスペインの地理に明るくはないらしい。ちなみに私も明るくないので、全然分からない。
| ニワセ | 2006/01/31 6:37 PM |

(*3)当たり前だけど、このハンノはカルタゴ本国の反バルカ派先導者のハンノとは別人。ハンノっていう名前は何人も出てくる。
| ニワセ | 2006/01/31 6:37 PM |

(*4)「故郷を離れてはるか遠くまで行く」って言ったのに……(21-21)
。本気には受け取ってもらえなかったのでしょうか。確かに一応、「ローマに行く」とは一言も言っていませんが。それともハミルカル〜ハンニバルと受け継がれてきたローマへの敵意は、当時はあんまり知られていなかったのでしょうか。
| ニワセ | 2006/01/31 6:40 PM |

(*5)すでにこの節だけで、合計21,000人も減っています…。ただいまのハンニバル軍の兵数は歩騎あわせて81,000人です。
| ニワセ | 2006/01/31 6:40 PM |










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