リウィウスを読もう!

ティトゥス・リウィウスの「ローマ建国以来の歴史」、
完全日本語訳がまだされていないこの史料を読もうという試みです。
自己中心的なことに、スタートは21巻からです。いつになることやら分からないけれど、エンドは30巻です。
要するに、第二次ポエニ戦争限定です。

*はじめてお越しの方は、「はじめに」をご覧ください。
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22-21
イレルゲテス族のマンドニウスとインディビリスがローマに叛く。
ハシュドゥルバルはこの叛乱に乗じて、再び内陸部へと戻ってくる。
グナエウス・スキピオが、友邦となったケルティベリア人にカルタゴの領土を略奪させる。
この部隊はハシュドゥルバル軍とも遭遇し、戦いの結果、ハシュドゥルバル側が敗北を喫した。
この年はもう何事もなく過ごせそうな気配だった。ただし、それはカルタゴ軍を相手にする限りでの話だ。
現地のスペイン人のことになれば話は別だった。このスペイン人というのは元来が定まらない性質で、常に変化を求めている。

イレルゲテス族(*1)の王子に、マンドニウス(*2)とインディビリス(*3)という名の者がいた。ローマ軍が内陸への進軍をやめて沿岸に戻ったところで、この二人がローマと友好を結んだ都市を襲った。

これに対してグナエウス・スキピオは、同盟軍の軽装歩兵を軍団将校に預けて派遣する。
結果、マンドニウスの軍はあっさりと敗退して散り散りになった。捕虜となったり処刑されたものもいたし、武具を捨てた者は多数にのぼった。

大西洋沿岸に退いていたハシュドゥルバルだったが、この叛乱の知らせを聞くと、エブロ川南部のカルタゴ友好都市を守る必要性に駆られ、再び戻ってくることになった。

カルタゴ軍はIbercao(*4)族の領地に陣を構え、一方、ローマ軍はNova(*5)に陣を置いた。

ここで、予期せぬ人物がスペインでの戦いの方向を変えていくことになる。
ローマに友好を求めて人質を差し出したケルティベリア人のもとに、グナエウス・スキピオからの書状が届く。
彼はこれにより、行動を開始した。ただちに武器を取り、精鋭部隊をもってカルタゴの領土を侵略する。瞬く間に、3つの都市がこのケルティベリア部隊に陥落させられた。
更にこの部隊は、ハシュドゥルバルその人率いる軍とも邂逅する。戦闘が行なわれ、その結果は死者1万5千、捕虜4千、奪われた軍旗は多数にのぼった。

(*1)Ilergetes
 エブロ川〜北部スペインあたりに住んでいるスペイン人の一族。その軍勢は結構強い。元々はカルタゴ側に与しており、ハンニバル軍にも部族の者が加わっている(21-22,21-23あたりを参照)。
 しかし前年度にグナエウス・スキピオに攻められ、ローマに降っていた。21-61参照。

(*2)Mandonius
 そのイレルゲテス族の首領格の一人。今後も結構よく名前が出てくるスペイン人。ローマについたり、カルタゴについたりと、態度をころころと変える。最終的にはプブリウス・スキピオ(子)に味方した。Indibilisとは兄弟?

(*3)Indibilis
 イレルゲテス族の首領格の一人。今後も結構よく名前が出てくるスペイン人。Mandoniusとは兄弟? ポリュビオスでは「Andobales」という名前で出てくる。

(*4)Ibercao
 または、Ilercaones。中心都市はIlergavonia。エブロ川流域にある町のようです。エブロ川の河口から20キロほど川をさかのぼったところに、Tortosaという都市がありますが、たぶんこのへん。……だとすると、ハシュドゥルバルの移動距離がすごいことになる気がするんですが。大西洋からは軽く500キロぐらいあると思います。移動に一ヶ月ぐらいはかかったでしょう。

(*5)Nova
 どこなのかよく分かりません……。名前からするに、新しく作った町とかでしょうか?
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