リウィウスを読もう!

ティトゥス・リウィウスの「ローマ建国以来の歴史」、
完全日本語訳がまだされていないこの史料を読もうという試みです。
自己中心的なことに、スタートは21巻からです。いつになることやら分からないけれど、エンドは30巻です。
要するに、第二次ポエニ戦争限定です。

*はじめてお越しの方は、「はじめに」をご覧ください。
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21-8
サグントゥムの城壁、崩れる。
サグントゥムの投擲兵器の脅威について。
 ハンニバルの傷が癒えるまでの数日のカルタゴ軍は、積極的な戦法に出ることなく包囲網を敷くのみだった。その間、実際の戦闘はなかったが、戦闘への準備は休むことなく続けられた。
 戦闘が再開されると、それはこれまでになかった規模で行われた。地面の不安定さをものともせずに攻城兵器が進み、城壁に迫った。カルタゴ軍は数で勝っていた。その数は、その数およそ15万人と言われている。サグントゥム側の見張りや守備隊のものたちは次第にその力を失っていっていた。戦線は多岐に渡っていたが、そのすべてに目を配られるだけの余裕が、もはやなかったのだ。城壁はいまや打ち壊されつつあり、ぼろぼろだった。ある箇所でついに塔とその間の壁が崩れ落ちた。カルタゴ軍にとっては、町はもはや陥落したも同然だった。攻撃側も防御側もその切れ目に押し寄せた。秩序だった戦闘は行われなかった。一方で、壊れた城壁と市内の建物の間に空いた空間では、通常の戦列が組まれていた。一方は勝利への期待に後押しされて前へと進み、もう一方は敗北への絶望が足を踏みとどまらせていた。カルタゴ軍は、もう一押しでサグントゥムは自分たちのものだと信じていた。サグントゥム人はわが身を持って故郷の盾とならんとしていたが、その故国はもはや城壁をはがれた丸裸の様相を呈していた。一歩でも引けば、そこに敵が踏み込んでくる。双方、一歩も譲らなかった。戦闘が過熱し、敵同士の距離が接近するに従って犠牲者も増えていった。鮨詰めになった隊列めがけて飛んでくる投擲兵器はきわめて効果的だった。
 サグントゥム人が使う投擲兵器は「falarica」というもので、研ぎ澄まされた投槍だった。先端はピルムのように、鋼鉄でできていた。柄の部分は麻くずでくるまれていて、投げられるときに油を塗られた。鉄のやじりは3フィートにもおよび、鎧をきたままの兵士を串刺しに出来る威力を持っていた。もしも攻撃を受けた兵士が盾で防いで体にまで届かなかったとしても、その兵士は無事ではすまない。なぜならこの兵器の更なる脅威は、射出されるときに巻いてある麻くずに炎が点火されるということろにあるからだ。風を切って飛んでいく段階で炎はますます燃え盛り、兵士の盾に刺さったときには、その兵士には盾を捨てて無防備で逃げるしかなかった。そうなれば当然、次の槍の前には無力だった。
| livy | 21巻 | 12:44 | comments(1) | - | - | -
総数15万って……誇張だと思うんですが。
| ニワセ | 2006/01/19 1:27 PM |










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