リウィウスを読もう!

ティトゥス・リウィウスの「ローマ建国以来の歴史」、
完全日本語訳がまだされていないこの史料を読もうという試みです。
自己中心的なことに、スタートは21巻からです。いつになることやら分からないけれど、エンドは30巻です。
要するに、第二次ポエニ戦争限定です。

*はじめてお越しの方は、「はじめに」をご覧ください。
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21-61
ハシュドゥルバル、対グナエウスのために北上。
ローマ艦隊、ハシュドゥルバルの奇襲を受ける。
グナエウス、扇動されたイレルゲテス族の鎮圧に向かう。
すでに積雪の頃、グナエウス、アウセタニ族に包囲戦を敷く。
 この知らせが届く前にハシュドゥルバルも出撃していた。歩兵8,000、騎兵1,000を率いてエブロ川を渡る。ローマの出鼻をくじいてやろうとしたのだが、すでに敗北したことを知るに至る。
 Scissisでの敗北を聞いたハシュドゥルバルは進路を海へと向けた。タラゴーナ(*1)からそれほど離れていない場所で、停泊中の敵艦隊を襲ったのだ。船の水夫や兵士は不注意にそのへんをうろうろしていた。勝利にうかれるあまり注意を怠ることは、よくあることだろう。ハシュドゥルバルはこの艦隊を血祭りにあげ、ほしいままにした。それから、グナエウスが戻ってこないうちに、とっととエブロ川の南へと撤退していった。

 グナエウスはこれを知って、全軍を率いて急行した。襲われた船の船長には不注意に対する罰を与え、タラゴーナに守備隊を残して、海路エンポーリアエに戻った。

 ところがグナエウスがその地を離れると、またハシュドゥルバルがやってきた。今度はイレルゲテス族(*)の扇動を試みる。イレルゲテス族もグナエウスに人質を送ってはいたのだが、見事そそのかされてローマに友好的な部族の領土を侵犯した。グナエウスはこの事態を鑑みて冬営地から出てくると、またハシュドゥルバルはエブロ川の向こうに引っ込む。
 グナエウスはイレルゲテス族の領土へ侵攻したが、その時にはこの事態を引き起こした張本人であるハシュドゥルバルはもうその地にいなかった。扇動者に見捨てられたこの哀れな部族を首都であるAthanagiaに追い込み、この町に包囲を敷いた。包囲から数日後、イレルゲテス族は更なる人質の供出と賠償金の支払を受け入れ、ローマの権威は回復された。
 
 ここから更にエブロ河畔に居住するカルタゴ傘下のアウセタニ(*)族に向けて進軍した。その中心都市を包囲する一方、ラケタニ族を奇襲で打ち破る。この部族は
夜の闇を縫って友邦アウセタニ族に救援を試みていたのだが、町に入ろうとした手前でローマ軍の攻撃を受けた。この攻撃による死者は約12,000人にのぼる。生き延びたものは武器も投げ捨てて、故郷へと四散した。
 いまや町を守るものは、舞い降りてきた冬だけだった。冬の女神は、攻め手には微笑まない。包囲は30日間続けられた。降りしきる雪は、1メートル以上も積もっていた。ここまで雪が積もると、ローマ軍の攻城兵器もすっぽり覆い隠されてしまうので、町側から火の手が投げ込まれてもダメージを食らわなくてすんだ。
 とうとう、首領Amusciusが観念して町を捨て、ハシュドゥルバルの元へ逃げてしまった。残された町は、降伏した。戦争賠償金として20タレントが課された。グナエウスは軍を率いて、タラゴーナへと戻っていった。

 (*1)旧名Tarracco。後の属州ガリア・タラコネンシスの中心都市。ちょうどこの時代、グナエウスとプブリウスの兄弟が町の規模を大きくした。

 (*2)Ausetani

 (*3)Ilergetes。北部スペインに居住するケルティベリア人の中でも最強を誇る部族。21-2221-23参照。

| livy | 21巻 | 19:26 | comments(0) | - | - | -









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