リウィウスを読もう!

ティトゥス・リウィウスの「ローマ建国以来の歴史」、
完全日本語訳がまだされていないこの史料を読もうという試みです。
自己中心的なことに、スタートは21巻からです。いつになることやら分からないけれど、エンドは30巻です。
要するに、第二次ポエニ戦争限定です。

*はじめてお越しの方は、「はじめに」をご覧ください。
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21-50
リリュバエウム沖海戦。
ローマ軍が勝利する。
執政官センプローニウス、メッシーナに到着。
シラクサ王ヒエロン、執政官を迎える。
センプローニウスと王、リリュバエウムに向かい、道中で戦勝を伝え聞く。
 両軍共に沖合いに漕ぎ出した。ローマ軍は接近戦に持ち込む機会をうかがっていたが、カルタゴ軍は逆に接近を回避しようとしていた。カルタゴ軍が望むのは接近戦ではなく、適度な距離を保ったままの艦隊同士の戦いだった(*1)。カルタゴ側は水夫を多く擁していた一方、兵士には不足していた。
 やがて船同士が接舷するに至ると、カルタゴ軍の兵士の数の少なさは明らかだった。ローマ軍はこれを知り、ますます士気燃え盛り、優勢になっていった。結果としてカルタゴ船7隻が拿捕され、残りは逃亡していった。敵手に堕ちた捕虜は、兵士1700、水夫多数。その中にはカルタゴ貴族も三人いたという。一方ローマ側は、一隻が被害を受けただけに終わり、ほぼ無傷で港に帰ってきた。損傷したその一隻も、曳航されて港に帰りえたのだった。
 
 この戦いの戦果がメッシーナに伝わる前に、執政官ティベリウス・センプローニウスが着任した。海峡に入った彼を出迎えたのは、艦隊を従えた王ヒエロンだった。王を乗せたシラクサの旗艦が執政官の船に横付けになる。王は執政官の無事到着をねぎらい、シチリアにおける任務が成功するようにと祈った。続いて、シチリアの現状と敵の動向をつまびらかにした。王はかつて若い頃、第一次ポエニ戦争時分にローマ側に立っていた。あの時と今とでは肉体に年月は刻まれているものの、その志はいまだ変わらず(*2)。今度もローマ側であることを約し、執政官が率いる軍団およびその水夫に十分な兵糧と衣服を支給することを明言した。また、王はリリュバエウム周辺の現状を警告した。カルタゴの脅威にさらされつつあるその地では、敵側への寝返りが起こらないとも限らない。
 センプローニウスはこれを聞き、一刻の猶予もならないと即断した。ただちに艦隊を率いてリリュバエウムに針路を向け、王の艦隊もそれに従った。一路リリュバエウムを目指しつつあるまさにその時、吉報が飛び込んできた。リリュバエウムで海戦が起こり、敵艦隊は逃亡および拿捕の憂き目を見たという。


 (*1)ローマ側が望むのは、船同士を接舷させて乗り移り、甲板上で戦う肉弾戦。カルタゴ側が望むのは、船を巧みに操って舳先をぶつけ合う、操船能力がものをいう艦隊決戦。
 
 (*2)Hieron 供,世い燭BC305年あたりの生まれらしいので、このときすでに80代後半です…。
| livy | 21巻 | 15:25 | comments(0) | - | - | -









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