リウィウスを読もう!

ティトゥス・リウィウスの「ローマ建国以来の歴史」、
完全日本語訳がまだされていないこの史料を読もうという試みです。
自己中心的なことに、スタートは21巻からです。いつになることやら分からないけれど、エンドは30巻です。
要するに、第二次ポエニ戦争限定です。

*はじめてお越しの方は、「はじめに」をご覧ください。
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21-27
ハンノ、別働隊を率いて陣を発つ。
ハンニバルの率いる本隊、ついにローヌ川を渡る。
 川を渡る準備は整った。しかし、対岸には渡河を妨げんと待ち構える者たちがぎっしりと列なっている。
 
 ハンニバルの配下に、ボミルカルの子・ハンノ(*1)がいた。ハンニバルは敵を撹乱するために、このハンノにスペイン人からなる一隊を与えて、指示を与えた。
 「夜、最初の歩哨が立った頃に隊を率いて陣を出ろ。そのまま川に沿って1日ほど上流へ向かい、渡れそうな箇所を見つけて敵に見つからぬようひそかに川を渡れ。その後、回り道をして敵の背後に位置し、しかるべき時に後ろから敵を攻撃するんだ」。
 ハンノ部隊の案内人はガリア人だった。彼がこの先の道筋を教えてくれた。ここから40キロほど上流に行ったところに小さな島があり、川の流れが二つに分かれている。そこは流れも比較的浅くなっている、と。
 ハンノ部隊はその地にたどり着くとただちに木を切っていかだを組み始めた。人、馬、荷物すべて流れを渡すためだ。
 スペイン人はこういうことには手早かった。彼らは衣服を濡れないように皮袋にしまって、盾を浮きがわりにし、それに乗って難なく川を横切って見せた。
 スペイン人以外の兵士はいかだに乗って川を渡り、そこで仮宿営を設けて、夜間行軍と渡河で疲労した体を休ませた。
 
 翌日の日中は休息に当てたが、ハンノは与えられた任務がきちんとこなせるか気がかりだった(*2)。
 翌日、ハンノは部隊を出発させ、煙を炊いてハンニバルに合図を出した。川を無事に渡ったこと、そしてそれほど遠くまではいかなくてすんだことを伝えたのだ。
 
 この合図に気づいたハンニバルは、機を逃さず、ただちに渡河を命じた。
 歩兵部隊はすでに舟を用意していた。川上には大きめの舟が、流れに対して横一列に並べられた。これによって流れの力が弱まり、兵を乗せた小舟が楽に川を横切ることができた。
 ほとんどの馬は船尾に曳航されて流れを泳いで渡ったが、一部の馬は馬具をつけた状態でいかだに乗って渡らせられた。対岸につくと直ちに騎兵が騎乗できるようにするためだった。

(*1) 「ボミルカルの子・ハンノ」、彼はハンニバルの長姉の息子で、つまりは甥に当たる。「やっと戦闘に参加できるほどの年」らしいので、10代後半か、やっとこ20代ってところ。ヘタすれば、この年初陣のスキピオと同い年の17歳ぐらいかもしれない。

(*2) 「与えられた任務がこなせるか気がかり」、この辺、いかにも若々しい。
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